目次
はじめに
サステナビリティとは?なぜ重要?なぜ必要?
投資先はどのように決めるのか?
サステナビリティに取り組むメリット
企業の取り組み例
サステナビリティ開示基準はどのようなものがあるのか?
まとめ
参考
はじめに
地球温暖化による海水面の上昇や、開発による森林の伐採など、人間の活動により地球が疲弊している状況にあり、企業は環境保護活動や社会貢献活動に注力するようになりました。
特に注目されるのは、「サスティナビリティ」です。
カタカナだとなんだかわかりにくく、何を目標にしているかがピンとこないのではないでしょうか?
サステナビリティとは?なぜ重要?なぜ必要?
サステナビリティ(サスティナビリティ)とは、「持続可能性」と訳されており、企業が使う場合は、自然環境や社会システムの維持に取り組むことです。
「将来にわたって、多様性を尊重し環境を守りながら、社会の機能を維持していく」ととらえていいと思います。
投資の側面から考えてみると、
サステナビリティの概念は、2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」においてSDGs(持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための17目標、169ターゲット、231指標)として表現されました。
これらの活動を後押ししているのが、「ESG投資」です。
投資家が投資判断の材料にESGの要素を考慮するというわけです。
※ESGは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。
投資先はどのように決めるのか?
何に注目して投資しているのでしょうか?
定義は、曖昧で日本、欧州、米国でも定義を見直しているようです。
国際NGOのClimate Bonds Initiativeでは、ESG投資をグリーン、ソーシャル、サステナビリティの3つに区分しています。
・グリーン:環境問題を解決することに特化した投資
・ソーシャル:社会課題を解決することに特化した投資
・サステナビリティとは環境問題と社会課題の双方を解決することを目的とした投資
を指すとのこと。
わかりやすく不動産オーナーたちは、一般的に認められている「認証」を取得することでESGに適応しているとアピールしてきました。
不動産については、エネルギー性能の向上、太陽光発電の利用や廃棄物の削減については、早くから取り組まれています。
特に、新築ビルでは2016年4月に施行された「エネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)が適用されています。
今後注目されるのは、水利用の削減や再利用です。
オフィスについては、健康や快適性の向上に注目されています。
これらの取り組みを形にしたのが、LEED、CASBEE,BELSなどの認証の取得です。
サステナビリティに取り組むメリット
コストアップに見られる、サスティナビリティに取り組むメリットは、何でしょうか?
- 企業価値があがる
社会課題に対応している企業は、投資家のみならず顧客からのエンゲージメントに効果がある可能性があります。
特に、若い世代は社会課題に対応することに敏感です。
- 建物価値があがる
認証を取得した不動産は、賃料、価格ともアップするといわれています。
認証をとっているビルとそうでないビルを借りる場合は、認証をとっているビルが選ばれるので、空室率が下がる可能性があります。
- 銀行からのローンがつく
取り扱いテーマによっては、銀行からの借り入れが可能です。
「サステナビリティ・リンク・ローン」というような事業融資サービスです。
みずほ銀行の場合は、
取扱テーマは、下記となっています
①気候変動
②環境
③サプライチェーン(持続可能な原材料調達等)
④ダイバーシティ&インクルージョン(女性活躍等)
⑤人権・労働安全性等
環境省によると、国内の「サステナビリティ・リンク・ローン組成額の推移」は、

「世界のサステナビリティ・リンク・ローン組成額の推移(地域別)」は、

企業の取り組み例
・事業活動における環境負荷ゼロの達成
・節水や節電、ゴミの分別の啓発をしつつ、健康的な生活をおくる
・容器に、ステンレスやガラス素材を用い、容器を返却してもらい再び利用
など様々です。
企業の活動といいながら、結局は個人の活動に帰結します。
個人で何ができるか考えないといけません。
サステナビリティ開示基準はどのようなものがあるのか?
令和5(2023)年1月31日、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正が交付されました。
有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の情報の開示が求められます。
2023年3月31日以後に終了する事業年度の有価証券報告書から記載があるはずです。
国際基準は、2021年には国際会計基準財団(IFRS財団)が国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設置しています。
日本では、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が、日本版S1基準及び日本版S2基準を作成しています。
PWCによると、日本企業が活用しているサスティナビリティ開示基準は、下記のようになっています。
開示基準は、しばらく混沌としそうです。
まとめ
・社会を継続するために、企業や個人は、自然環境や社会システムの維持を考えつ必要があります。
・建物は、認証制度で差別化している
・サステナビリティ・リンク・ローンというサービスができている。
・サステナビリティ開示の義務化が2023年からスタート
参考
ESG投資実態調査2022 QUICK ESG研究所
https://corporate.quick.co.jp/wp-content/uploads/97029bd1f01c239f192c3eeb78c45838.pdf
世界と日本のESG投資動向 三菱総合研究所
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20221125.html
みずほサステナビリティ・リンク・ローン PRO みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/finance/growing_field/sll_pro/index.html
国内におけるサステナビリティ・リンク・ローンの組成・融資への期待 環境省
https://greenfinanceportal.env.go.jp/loan/sll_issuance_data/sll_market_status.html
サステナビリティ情報の開示に関する特集ページ 金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sustainability-kaiji.html
サステナビリティ情報開示の動向 PWC
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/prmagazine/pwcs-view/202205/38-01.html