2021.4.25 路線価認めず課税「適法」 不動産相続で、国側勝訴確定―最高裁

目次

 はじめに

相続税評価額の例外規定の適用基準

 まとめ

 参考

 はじめに

さすがに驚きました。最高裁判決相続税評価が低すぎるとして、相続財産の評価方法に関する通達の「実勢価格が路線価による評価額と大きく乖離(かいり)する場合に再評価できるとする例外規定」を適用しました。

購入額合計約13億円。路線価約3億円。に対し再評価したのは、不動産鑑定で約12億円。

といいます。不動産鑑定できめられたらほかの納税者と不公平にならないのでしょうか?

相続税評価額の例外規定の適用基準

この例外規定の適用基準は、国税庁のレポートにもあるように、「著しく不適当と認められる」場合の具体的内容や事例が示されていないため、同項の意義・内容は様々に解釈される余地を残していて研究されています。

このレポートによると、納税者の主張が評価通達外(6項適用)の場合もありますが、数は5件(すべて不動産)と少ない。しかし、納税者の主張が、評価通達(6項不適用)で課税庁主張が評価通達外は、52件(株式等43件、不動産2件)となっています。

数を見るとかなり少数のように感じます。

評価通達6項適用にかかる裁判例での判断仮定は、4つとしています。

①評価通達による評価方法を形式的に適用することの合理性が欠如している

②他の合理的な時価の評価方法が存在すること

③評価通達による評価方法に従った価額と他の合理的な時価の評価方法による価額の間に著しい乖離が存在する

と指摘されているそうです。

「著しく不適当と認められる」との判断の枠組みは、「価格乖離型」と「租税回避型」に分けられるとしています。

価格乖離型」は、①「評価通達による評価の合理性の欠如」③「価額と他の合理的な時価の評価方法による価額の間に著しい乖離が存在する」ことを指摘

租税回避型」は、①「評価通達による評価の合理性の欠如」③「価額と他の合理的な時価の評価方法による価額の間に著しい乖離が存在する」に加えて「納税者が経済的合理性が欠如した行為を介在させて、意図的に租税負担を軽減させていること」を指摘

としています。

さらに、納税者の行為としては、例が挙げられています。

1)相続開始直前に借入金により不動産を取得し、相続税申告後に売却

2)相続に近接した売買行為

3)低額の現物出資による有限会社の設立

4)買取保障の下での出資及び買取の実現

上記4つなどが、相続税等の負担の軽減がなされている事例としています。

1)~4)は、納得することですが、結局のところ、③乖離はどれくらいなら適用されるのかは個別の判断になっています。

 まとめ

今回の、最高裁判断は「購入額合計約13億円。路線価約3億円」と10億円の乖離が6項の適用がされた理由と推察されます。今回の争いでの不動産鑑定は約12億円なので、購入価格はそれほど乖離していないため、適切な価格と判断されたのでしょう。

今後は、路線価も注意してみていかないと相続の場面で大変なことになります。

 参考

路線価認めず課税「適法」 不動産相続で、国側勝訴確定―最高裁 JIJI.com

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041900699&g=soc

財産評価基本通達の定めによらない財産の評価について-裁判例における「特別の事情」の検討を中心に- 国税庁

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/80/02/index.htm