2020.1.23 賃貸借契約書の見直し

2020年4月民法改正の施行により賃貸借契約を見直されている方も多いかと思います。

弊社が加入しております公益社団法人全日本不動産協会でも重要事項説明書、賃貸借契約書とも改定されております。ベースは、平成30年3月改定の「賃貸住宅標準契約書」(国土交通省)です。

賃貸借契約書作成のポイントは、「設備等」「原状回復」「民泊利用」だと思います。

「設備等」は、備え付けられている設備が故障した場合の費用負担について記載がなければ、一般的な使用範囲内での故障や取り換えは原則貸主負担となると思われます。

特に注意するのは、備え付けのエアコンです。エアコンの取り換え時の費用や修理費用の負担等に関しては、取り決めしておく必要があります。

「原状回復」については、借主に負担させるべき範囲を明確に、取り換える場合の金額も含めて記載しましょう。

東京に居住用賃貸物件を借りられる方は、東京ルール(東京都紛争防止条例)に基づく説明を受けることが義務づけられています。(更新契約は対象外です)

これにも賃借人の負担内容として特例をつけることが多いです。例えば、ルームクリーニング費用、畳の表替え、ふすまの張替え費用は借主負担とするなどです。

ただし、大阪最高裁判例17.12.16で、特約を明確に合意している必要があるとされましたので、クリーニング費用等を明確に記載することが必要と思われます。

民泊は、行政が押している施策ですが、ご自身の賃貸物件について「民泊利用」を禁止する場合は、特約に記載しておきましょう。それ以外の禁止事項例えば、楽器演奏、ペットの飼育、転貸、同居、DIYなど禁止事項を想定している場合は、併せて記載しましょう。

2020年4月以降に居住向けの賃貸借契約(更新は除く)をする場合に、問題となってくるのは、「連帯保証の極度額」をいくらにするかです。

家賃の滞納を原因とする建物明け渡し事件の場合、大半の事件は訴状提出から2か月程度で判決がでるようです。その後判決に基づいて強制執行の手続きが行われます。

家賃滞納から訴状提出まで3か月以上経過したのち、内容証明送付に1か月期間を見るとすると、家賃滞納から強制執行まで最低でも6か月程度見ておく必要があると思われます。

ちなみに、国土交通省の「極度額に関する資料」によると、裁判所の判決における民間賃貸住宅における借主の未払い家賃等を連帯保証人の負担として確定した額は、中央値で12か月となっています。※負担総額には、未払い家賃のほか、原状回復費用、損害賠償費等が含まれます。

極度額に関する参考資料 国土交通省

https://www.mlit.go.jp/common/001227824.pdf