2020.1.15 120年ぶりの賃貸契約改正

貸すもしくは借りる行為は、レンタルDVDや賃貸住宅、貸衣装など日常的に利用されています。貸すタイプは、賃料を取って物を貸す契約(賃貸借)と無料で貸す(使用貸借)があり、ともに民法で規定されています。

2020年4月1日に施行される民法では、賃貸契約を含む再建関連の規定が改正されます。

なんと120年ぶりの改正です。現代の社会生活で通用する基本的なルールを明文化するものとしています。

使用貸借は、貸す人と借りる人の間に何らかの特別な関係があるのが普通ではないでしょうか?友人や親族間の間では使用貸借は珍しくないと思います。

民法第599条では、使用貸借は、貸主の死亡によって、その効力を失うとしています。

一方、不動産の賃貸借は、民法の特別法である借地借家法規定を受けます。借地借家法の規定の多くは強行規定なので、契約当事者間で強行規定と異なる合意をしても無効になります。

賃貸借に関する改正のポイントとして

1.賃貸借継続中のルールとして

・賃借物の修繕に関する要件の見直し

 → 一定の条件のもと賃借人が目的物を修繕しても、賃貸人から責任を追及されないことが明確になりました。

・賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化

 →不動産が譲渡されたときは、賃貸人としての地位は、原則として不動産の譲受人(新たな所有者)に移転するという規定が設けられました。

   新たな所有者が、賃借人に対して賃料を請求するためには、不動産の登記が必要であるという規定が設けられました。

2.賃貸借終了時のルール

 ・賃貸人の原状回復義務および 収去 義務等の明確化

 → 賃借人は、原状回復の義務を負うこと、しかし、通常損耗や経年変化については原状回復義務を負わないことが明記されました。

 ・敷金に関するルールの明確化

 → 敷金を定義したうえで、賃貸借契約が終了して賃貸物が返還された時点で敷金返還請求債務が生じること、その額は、受領した敷金からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した額であることなどのルールが明確にされました。

3.賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール

 → 極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効となりました

ちなみに独立行政法人国民生活センターに寄せられる「住宅関連サービス」で相談件数が多いのは、「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」です。

以下は、「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」の相談件数です。

民法改正で、トラブルが減ることを願います。

参考

民法 第593条 使用貸借

使用貸借は、当事者の一方が無償 で使用及び収益をした後に返還をすることを 約して相手方からある物を受け取ることに よって、その効力を生ずる。

民法 第601条 賃貸借

賃貸借は、当事者の一方がある物 の使用及び収益を相手方にさせることを約し、 相手方がこれに対してその賃料を支払うこと を約することによって、その効力を生ずる。

借地借家法 第1条 趣旨

この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力 等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等 に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。

「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」 独立行政法人国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/chintai.html

賃貸借契約に関するルールの見直し 法務省

http://www.moj.go.jp/content/001289628.pdf