2020.9.15 レオパレス21の界壁問題について

岐阜市のアパート所有者が小屋裏へ界壁が施工されていなかったことについて、施工不良として約2,000万円の損害賠償を求めた裁判を起こしましたが、2020年8月26日岐阜地方裁判所は、原告側の訴えを棄却する判決を下したそうです。

 レオパレス21は、2018年4月27日のニュースリリースで、確認通知図書に記載されていた小屋裏界壁が施工されていないとしています。

国交省での記者会見では、『1996年から2009年にかけて販売したアパートで、「建築基準法に違反する疑いのあるものが発見された」と発表しています。該当したのは、鉄骨ブレース工法や木造軸組み工法を採用した集合住宅などで、建基法30条や建基法施行令114条1項で定める小屋裏界壁が未施工、または施工不十分だった。特に「界壁なし」の状態は、「極めて(建基法)違反に近い状態」』と発表しています。

界壁は、共同住宅などの各住戸を区切る壁のことで、「防火」「遮音」について建築基準法等、関係法令の技術的基準に基づく性能を満たし、小屋裏・天井裏まで達するように設ける必要があります。つまり今回対象になっている建物は、「防火」「防音」の基準が満たされていないことになります。

HPによると、補修工事については、「全棟調査における界壁施工不備物件の調査・補修工事の対応につきましては、特定行政庁と協議を行った上で、当社の費用負担と責任において実施いたします。」となっています。

では、なぜ「棄却」となったのでしょうか?

日経クロステックの記事によると、問題となった共同住宅は提訴時点で築20年を超えていたことから、判決は原告には「請求権がない」としたことです。

判決は判断理由について、「被告が界壁の不備を積極的に隠蔽したことはなく、自ら建築基準法違反の可能性を認めて本件訴訟の行く末を問わず補修する方針を示している。損害賠償請求権について除斥期間の適用を制限すべき特段の事情はない」としているそうです。

つまり、現在レオパレス21は、コロナの影響で延期になっていますが、全国で施工不備を改修していることが背景にあるようです。

 ちなみに、現在レオパレス21の建物の売買のための融資は、ある銀行を除いてほぼ融資がつかない状況です。

棄却:訴訟法上、裁判所に対する申し立ての内容に理由がないとして排斥する裁判。刑事訴訟法では、手続きが適法になされていないという理由で手続きを打ち切る場合にもいう。(大辞林 第三版)

参考

 界壁施工不備問題の概要について  レオパレス21 

https://www.leopalace21.co.jp/info/overview.html

 レオパレス施工不備訴訟、「界壁なし」でもオーナーの賠償請求を棄却 日経クロステック

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/01012/